目的地もくてきち)” の例文
開帳かいちょうだって、つぎのには、あんなことがあったとかんがえると、旅費りょひのできたのをさいわいに、はやく目的地もくてきちをさしてゆこうと決心けっしんしたのであります。
石をのせた車 (新字新仮名) / 小川未明(著)
箱根はこね伊豆いづ方面はうめん旅行りよかうするもの國府津こふづまでると最早もはや目的地もくてきちそばまでゐたがしてこゝろいさむのがつねであるが、自分等じぶんら二人ふたり全然まるでそんな樣子やうすもなかつた。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
その夜ぼくらは、探征たんせいの第一夜をぶなの林で明かした。あと十五キロメートルばかりで、目的地もくてきちの北浜に達するのだ。あすの希望をひめて一同早く寝につく。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
それは根方地ねがたぢで、街道かいだうから南面なんめんし、右手みぎて小徑こみちがある、それをまがつてから、また右手みぎてはた目的地もくてきちだ。
爆裂彈ばくれつだん! なんために? と讀者どくしや諸君しよくんいぶかるであらうが、これにはおほい考慮かんがへのあることである、いまその目的地もくてきちたつし、いざ建塔けんたふといふ塲合ばあひに、獅子しゝ猛狒ゴリラが、一頭いつとうでも、二頭にとうでも
工事こうじ箇所かしよへは廿もあつた。勘次かんじけばすぐぜにになるとおもつたのでやうやく一ゑんばかりの財布さいふふところにした。辨當べんたうをうんと背負しよつたので目的地もくてきちへつくまでは渡錢わたしせんほかには一せんらなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
その言葉ことばうしにわかったものか、うしおもそうなあしどりをせいいっぱいにはやめました。そして、その午後ごごまち目的地もくてきちくことができたのであります。
ある男と牛の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わずか一時間じかんらずで、汽車きしゃ目的地もくてきちきました。N町エヌまちまでは、そんなちか距離きょりでしかありませんでした。
しいたげられた天才 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ゆき曠野こうやはしって、ようやく、目的地もくてきちきました。
青い星の国へ (新字新仮名) / 小川未明(著)