生存せいぞん)” の例文
かれしばらすき煙草たばこ屈託くつたくしてたがやうやあたゝかけたので、まれ生存せいぞんして往年わうねん朋輩ほうばい近所きんじよへの義理ぎりかた/″\かほつもりそとた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
隷属れいぞくは、決して光榮くわうえいある生存せいぞんじやないからな。身分や家柄………其様なものは、俺といふ個人に取つて、何等の必要がある。第一體にはへられん!
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
わたしは、風景ふうけいや、生物せいぶつの、たのしく生存せいぞんする姿すがたをかいて、みんなにしめし、そのよろこびをわかちたいとおもうのです。
托児所のある村 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしはこんな事を問ひにつてゐました。若し人間と猩々しやう/″\と交合させたら、其間に子が出来て、それが生存せいぞんするだらうかと。まあ、兄いさん、黙つて聞いてゐて下さい。
(新字旧仮名) / グスターフ・ウィード(著)
停車場ていしやぢやう、ホテル、舞踏場ぶたうぢやう、如何なる所にてもよし、かの燦爛たる燈火の光明世界を見ざる時は寂寥せきれうに堪へず、悲哀に堪へず、あたか生存せいぞんより隔離されたるが如き絶望を感じ申候まをしそろ
夜あるき (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
みぎ現象げんしよう實際じつさい目撃者もくげきしや一人ひとり生存せいぞんなかつたわけである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
生存せいぞん活動くわつどう
全都覚醒賦 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
資本主しほんぬし機械きかい勞働らうどうとに壓迫あつぱくされながらも、社會しやくわい泥土でいど暗黒あんこくとのそこの底に、わづかに其のはかな生存せいぞんたもツてゐるといふ表象シンボルでゞもあるやうなうたには
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
自分の頭にたかツたはひは、自分で逐ふさ。つまづいたツて、倒れたツて、人は何でも自分の力で、自分の行く道をひらいて行ツた方が、一番安心だ。それがまた生存せいぞんの意義にも適してゐるといふもんだ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)