“儚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はかな70.3%
はか26.1%
あわ0.7%
0.7%
0.7%
はかない0.7%
はかの0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「あなた方は、ここを落ちても、不忠ではない。せめてお命を保ったら、子を育ててはかない故主の御一門の御供養なとなされるがよい」
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
古新聞を焚いて茶をわかしていると、暗澹あんたんとした気持ちになってきて、一切合切が、うたかたのあわよりはかなく、めんどくさく思えて来る。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
その悄悵しょうちょうとして、あわい音色のクラリオネットが、「ここは御国を」などの、聴き馴れたものを、一つ一つ教えこむように吹き鳴らす時、黙々と聴入った黒吉の胸の中には、何かしらぬ熱いものが
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
二の酉や十二階き空の青
異版 浅草灯籠 (新字旧仮名) / 正岡容(著)
真実をかない態度とか、同情、愛というような私たち人間の感情を、古風な学問の範疇では道徳、倫理の枠に入れて考えて、科学とそういうものとは別々に云いもし、教えもしていた。
科学の精神を (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
しかし人智ははかないいものである。あれだけの準備計画があっても、やって見ると容易に思うように行かない。
戦争史大観 (新字新仮名) / 石原莞爾(著)
先年尾上おのえ家の養子で橘之助きつのすけといった名題俳優やくしゃが、年紀とし二十有五に満たず、肺を煩い、余り胸が痛いから白菊の露が飲みたいという意味の辞世の句を残してはかのうなり、贔屓ひいきの人々はうまでもなく
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)