牛肉ぎうにく)” の例文
我々は牛肉ぎうにくくらへども我々の邸内ていないに在る物捨て塲に於て牛骨を見る事はがたし。是自家庖廚はうちうの他に牛肉販賣店はんばいてん有るに由る。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
われく、むかし呉道子ごだうし地獄變相ぢごくへんさうつくる。成都せいとひと一度ひとたびこれるやこと/″\戰寒せんかんしてつみおそれ、ふくしうせざるなく、ために牛肉ぎうにくれず、うをかわく。
聞きたるまゝ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
その時分じぶん蕎麥そばふにしても、もりかけが八りんたねものが二せんりんであつた。牛肉ぎうにく普通なみ一人前いちにんまへせんでロースは六せんであつた。寄席よせは三せんか四せんであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
やまといた牛肉ぎうにく鑵詰くわんづめが三ぼん菓子くわしでもあるかとおもちひさな紙包かみづゝみかためた食鹽しよくえんの四つ五つとがた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
長野ながの辨當べんたうつたときなさけなかつた。はす人參にんじんくさ牛肉ぎうにくさかなふのが生燒なまやけ鹽引しほびきさけよわる。……稗澤山ひえだくさんもそ/\の、ぽんぽちめし、あゝ/\旅行りよかうはしなければかつたとおもつた。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
はゞかつたやうにしてまゝにしていた牛肉ぎうにく鑵詰くわんづめの一つをおつたは卯平うへいへやつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)