泣叫なきさけ)” の例文
女はこゝぞ一生懸命ヤレ人殺し/\助け給へと泣叫なきさけべは侍士是に心付ヤレ南無三法何時いつに同類めらがうしろへ廻り我が女房を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「つままれめ、何処どこをほツつく。」とわめきざま、引立ひつたてたり。また庭に引出ひきいだして水をやあびせられむかと、泣叫なきさけびてふりもぎるに、おさへたる手をゆるべず
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
また子供こども咽喉のどるのでくちかせたりするときに、子供こども泣叫なきさけび、ちひさい突張つツぱつたりすると、かれ其聲そのこゑみゝがガンとしてしまつて、まはつてなみだこぼれる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
これは水揚みづあがりせざるところものどもこゝにはせあつまりて、川すぢひらき水をおとさんとする也。闇夜あんやにてすがたは見えねど、をんなわらべ泣叫なきさけこゑあるひとほく或はちかく、きくもあはれのありさま也。
私は父の影が見えなくなるとぐ前日こしらへたちんへかけ込んで、声をおしまず泣叫なきさけび升た。
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
また子供こども咽喉のどるのでくちかせたりするときに、子供こども泣叫なきさけび、ちいさい突張つッぱったりすると、かれはそのこえみみがガンとしてしまって、まわってなみだこぼれる。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
真逆まっさかさになった女で、髪がふはりと下に流れて、無慙むざんや真白な足を空に、顔はもすそで包まれた。ヒイと泣叫なきさけぶ声が悲しげに響いて、あれ/\と見るうちに、遠く筑波つくばの方へかすんでしまつた。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)