此位このくらゐ)” の例文
内山君うちやまくん足下そくか此位このくらゐにしてかう。さてかくごとくにぼくこひ其物そのもの隨喜ずゐきした。これは失戀しつれんたまものかもれない。明後日みやうごにちぼく歸京きゝやうする。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
しアヽーうもこのふすまなんどす、銀錆ぎんさびで時代が十ぶんに見えますな、此方こツちや古渡更紗こわたりさらさ交貼まぜはりで、へえーうも此位このくらゐお集めになりましたな、へい、いたゞきます
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
あゝ/\! こひ影坊師かげばうしでさへ此位このくらゐうれしいとすると、げられたまことこひは、まア、どんなにたのしからうぞ?
にも見違みちがへるわけのものではないが図抜づぬけあまおほきいから一寸ちよツとがつかぬであつた、なんはたけでも、甚麼どんな履歴りれきのあるぬまでも、此位このくらゐひるはあらうとはおもはれぬ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
丁度ちやうど此位このくらゐ權利けんりだらう』とつて公爵夫人こうしやくふじんは、『ぶたぶくらゐのサ、それで、ト——』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
むか叔父をぢいへで、これおなことらせられたときは、暇潰ひまつぶしのなぐさみとして、不愉快ふゆくわいどころかかへつて面白おもしろかつた記憶きおくさへあるのに、いまぢや此位このくらゐ仕事しごとよりほかにする能力のうりよくのないものと
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
よろこび心の中には此位このくらゐなら節季せつき師走しはすの中を來らず共能にと思ひけるゆゑ兄さん御前は夫でよからうが私は道々も明暮あけくれお前の事のみあんじられて斯して態々わざ/\くるからはせめては死目しにめ逢度あひたしと思ひて何なにか苦勞くらう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
其頃そのころ諸侯方しよこうがたされ、長兵衛ちやうべゑ此位このくらゐ値打ねうちが有るといふ時は、ぢき代物しろものを見ずに長兵衛ちやうべゑまうしただけにお買上かひあげになつたとふし、此人このひと大人たいじんでございますから
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
だれんでもかまはないのだらう』とあいちやんはおもひました、『此位このくらゐ身長せいでは駄目だめよ、さうだ、ひと彼等かれらおどろかしてやらう!』とつてあいちやんは、ふたゝ右手みぎてかけはじめました
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
めえさんのとこからたのみがつたので見にた。主人「それは誠に恐入おそれいります。弥「手をそろへてお辞儀じぎをするんだがうだい……此位このくらゐ丁度ちやうどそろつてるかねえか見てくれ。 ...
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
うよ。梅「へえゝうま出来できてゐますね。×「おまへうしていたんだ。梅「へえじつは二十一にち断食だんじきをしました、一しんとゞいたものと見えます。×「ムヽウ、まゝ此位このくらゐ目出度めでたい事はないぜ。 ...
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)