きはめ)” の例文
而して會〻たま/\その街を過ぐる一行ありしがために、此一寰區くわんくは特に明かなる印象を我心裡に留むることを得たり。角きはめて長き二頭の白牛一車をけり。
世間の人の周章狼狽しうしやうらうばいするやうな事に出くはすと、先生きはめて平気で、不断から透明な頭がいよいよ透明になつて来る。
魔睡 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
然に此篇のお夏は、主人の娘として下僕かぼくに情を寄せ、其情ははじめ肉情センシユアルに起りたるにせよ、のちいたりて立派なる情愛アツフヱクシヨンにうつり、はてきはめて神聖なる恋愛ラブに迄進みぬ。
「歌念仏」を読みて (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
秦亀しんきは山中にるものなり、ゆゑによんで山亀といふ。春夏は渓水けいすゐに遊び秋冬は山にかくる、きはめて長寿する亀は是なりとぞ。又筮亀ぜいきと一名するは周易しうえきに亀をやきて占ひしも此亀なりとぞ。
きはめわけきかほしと腹の立まゝやぶからぼうにまくりたてつゝいひければ忠兵衞呆氣あつけとらるゝのみ少も合點がてん行ざれどもお光の事とは大方にすゐせばいよ/\わかかねなほ押返おしかへして問けるに主個あるじは今方店へ來し醫師がのべたるテレメンテーナの藥の事より大藤の女兒むすめかうと話したるが和郎は大事な主人のよめ途中とちうなんどで轉倒ひつくりかへ天窓あたまむさ草履ざうり草鞋わらぢ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ジエンナロの面は血色全く失せて、さてはおん身は立聞せしか、おん身は我をはづかしめたり、我と決鬪せよといふ。其聲きはめひやゝかに、極てあらゝかなりき。
常に人世アースの境域にのみ心をあつめ、社界を改良すと曰ひ、国家の福利を増すと曰ひ、民衆の意向を率ゆと曰ひ、きはめ尨雑ばうざつなる目的と希望の中に働らきつゝあり。
国民と思想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
秦亀しんきは山中にるものなり、ゆゑによんで山亀といふ。春夏は渓水けいすゐに遊び秋冬は山にかくる、きはめて長寿する亀は是なりとぞ。又筮亀ぜいきと一名するは周易しうえきに亀をやきて占ひしも此亀なりとぞ。
高利貸こうりかし老婦人ろうふじん、いかにも露西亞ロシア露西亞ロシアらしくおもはれ、讀者どくしやをして再讀さいどくするにこゝろおこさしむ。居酒屋いざかやける非職官人ひしよくくわんじん懺悔ざんげ自負じふ白状はくじやうきはめ面白おもしろし。その病妻びようさいことひて
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
(この論、きはめて不熟なり、編輯期日に迫りて再考のいとまあらず、読者乞ふ之を諒せよ。)
「歌念仏」を読みて (新字旧仮名) / 北村透谷(著)