役儀やくぎ)” の例文
其方儀天一坊身分しかと相糺さず萬事ばんじ華麗くわれいていたらく有しを如何いかゞ相心得居申候やうつたへもせず役儀やくぎをもつとめながら心付ざる段不屆に付退役申付る
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「聞きずてにならぬ暴言ぼうげんようがあればこそ幕内まくうちへとおる。それは奉行ぶぎょう役権やっけんじゃ。役儀やくぎけんをもってとおるになんのふしぎがあろう。どけどけ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
... 手前等てまへらより役儀やくぎ申付まをしつさふらふこと、おやす御用ごようさふらふなにはしかれそのもくとやらむ御呼寄およびよせあひなるべし」「早速さつそく御承引ごしよういん難有候ありがたくさふらふ」と其日そのひやかたかへらせたまふ。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
役儀やくぎまでに改めて見ると、小判どころか錆釘さびくぎや石ころがギッシリとつまっている。
顎十郎捕物帳:07 紙凧 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
懷中くわいちうなし甲斐々々かひ/″\しき出立いでたちにて逃出さんとするところへ火事騷くわじさわぎの中なれ共家主吉兵衞きちべゑは大切の囚人めしうどの女房ゆゑ萬一取逃とりにがしもせば役儀やくぎかゝると駈着かけつけ來りいま逃出んとするお政を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
大講会だいこうえおきてとして、そうはまいりませぬ。ご本名ほんみょうをおしたためなきうちは、これを諸侯しょこうひかじょ伝令でんれいすることもならず、ご奉行ぶぎょうとしても、役儀やくぎがら試合をめいじるわけにもゆきませぬ
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其方儀おも役儀やくぎつとめながら賄賂まいないとりよこしまさばきをなし不吟味ふぎんみの上傳吉を無體に拷問がうもんに掛無實の罪におとし役儀をうしなでう不屆に付繩附なはつきまゝ主人遠江守へ下さるあひだ家法かはふに行ひ候やう留守居へ申渡す
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)