底光そこびか)” の例文
そしてほしがいっぱいです。けれどもひがしそらはもうやさしいききょうのはなびらのようにあやしい底光そこびかりをはじめました。
いちょうの実 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
わたしは、ほしちたのをたことは、はじめてです。けるのをって、昨夜さくやほしちた場所ばしょへいってみますと、つちなか底光そこびかりのするいしがうまっていました。
珍しい酒もり (新字新仮名) / 小川未明(著)
うすかみむすがみに、きちんとなでつけて、衣紋えもんをすつとはせた……あの、えり薄黄色うすきいろで、してねずみあゐがかつた、艷々つや/\として底光そこびかりのする衣服きものに、なんにもない、しろい、丸拔まるぬきの紋着もんつき
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そこにもここにも底光そこびかりがある、低くて暗いのは必ずしも浅くて安っぽい意味でない、というような感じも幾分か出て来て、そうしておもむろに間毎まごとふすまや天井などについて説明を求めてみると
と、忍剣にんけん龍太郎りゅうたろうは、底光そこびかりのする眼光をいよいよぎすましている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「このかねなかには、ひすいがかしんであるというはなしだが、あおいろが、なんとなく底光そこびかりがしてえるな。」と、旅人たびびとは、こわれかけた鐘楼しょうろうにたどりいたときに
ひすいを愛された妃 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのつめたい桔梗色ききょういろ底光そこびかりする空間を一人の天がけているのを私は見ました。
インドラの網 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)