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大丸髷
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おおまるまげ
ふりがな文庫
“
大丸髷
(
おおまるまげ
)” の例文
貞奴はその妹分の優しい、
初々
(
ういうい
)
しい
大丸髷
(
おおまるまげ
)
の若いお嫁さんの役で、
可憐
(
かれん
)
な、本当に
素
(
す
)
の貞奴の、
廿代
(
はたちだい
)
を思わせる
面差
(
おもざ
)
しをしていた。
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
色は浅黒く、利かぬ気らしい精博の気が顔にあふれ、糸のような細い眼に、異様な光がある。
大丸髷
(
おおまるまげ
)
に、桜の花びらが幾ひらも乗っている。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
もう
二十歳
(
はたち
)
にもなって、
大丸髷
(
おおまるまげ
)
の赤い
手絡
(
てがら
)
が
可笑
(
おか
)
しいくらいなお静が、
平常
(
ふだん
)
可愛がられすぎて来たにしても、これはまたあまりに他愛がありません。
銭形平次捕物控:024 平次女難
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
黒の
唐繻子
(
とうじゅす
)
の帯を締めて、黒縮緬の羽織なら何処へ出しても立派な奥さん、また
商人
(
あきんど
)
の内儀にも好し、
権妻
(
てかけ
)
にも、新造だって西洋げんぶく
大丸髷
(
おおまるまげ
)
でも好し
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
経机に
凭
(
もた
)
れて、じっと向いの
襖
(
ふすま
)
の紋ちらしを見入っている、
大丸髷
(
おおまるまげ
)
に黒の紋つきを着て、縫模様のある帯をしめた、色のあくまで白い、髪のしたたるほどに濃い
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
生垣
(
いけがき
)
の外を通るものがあるから
不図
(
ふと
)
見れば先へ立つものは、年頃三十位の
大丸髷
(
おおまるまげ
)
の人柄のよい
年増
(
としま
)
にて、
其頃
(
そのころ
)
流行
(
はや
)
った
縮緬細工
(
ちりめんざいく
)
の
牡丹
(
ぼたん
)
芍薬
(
しゃくやく
)
などの花の附いた燈籠を
提
(
さ
)
げ
牡丹灯籠 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
何という
生地
(
きじ
)
かわからぬ
金線入
(
きんせんいり
)
、刺繍裾模様の訪問着に
金紗
(
きんしゃ
)
の黒紋付、水々しい
大丸髷
(
おおまるまげ
)
だ。上げた顔を見ると夢二式の大きな眼。小さな唇。卵型の
腮
(
あご
)
。とても気品のある貴婦人だ。
山羊髯編輯長
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
白い
雨外套
(
あまがいとう
)
を着た職工風の男が一人、
絣
(
かす
)
りの着流しに
八字髯
(
はちじひげ
)
を
生
(
はや
)
しながらその顔立はいかにも田舎臭い四十年配の男が一人、
妾
(
めかけ
)
風の
大丸髷
(
おおまるまげ
)
に
寄席
(
よせ
)
芸人とも見える
角袖
(
かくそで
)
コートの男が一人。
寺じまの記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
津田は眼をぱちつかせて、赤い
手絡
(
てがら
)
をかけた
大丸髷
(
おおまるまげ
)
と、
派出
(
はで
)
な
刺繍
(
ぬい
)
をした
半襟
(
はんえり
)
の模様と、それからその真中にある
化粧後
(
けしょうご
)
の白い顔とを、さも珍らしい物でも見るような新らしい眼つきで眺めた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
外出する時はお梅さんという
玄冶店
(
げんやだな
)
の髪結いに番を入れさせ、水々した
大丸髷
(
おおまるまげ
)
を結い、金具に真珠を
鏤
(
ちりば
)
めた、ちょろけんの
蟇口型
(
がまぐちがた
)
の丸いオペラバックを
提
(
さ
)
げ、どこともいわず昼間出て行くのだったが
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
でも、お
師匠
(
しょ
)
さん、すこし根下りの
大丸髷
(
おおまるまげ
)
に、水色
鹿
(
が
)
の
子
(
こ
)
の手柄で、
鼈甲
(
べっこう
)
の
櫛
(
くし
)
が眼に残っていますって——黒っぽい
透綾
(
すきや
)
の着物に、腹合せの帯、
襟裏
(
えりうら
)
も
水浅黄
(
みずあさぎ
)
でしたってね。
市川九女八
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
女の話を訊こうとすると、そこへ
大丸髷
(
おおまるまげ
)
四十前後の、恐ろしく若造りな女が出て来ました。
銭形平次捕物控:042 庚申横町
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
三十位に見える
大丸髷
(
おおまるまげ
)
の
年増
(
としま
)
が、其の
比
(
ころ
)
流行
(
はや
)
った
縮緬細工
(
ちりめんざいく
)
の牡丹燈籠を持ち、其の後から文金の
高髷
(
たかまげ
)
に秋草色染の衣服を
著
(
き
)
、上方風の
塗柄
(
ぬりえ
)
の
団扇
(
うちわ
)
を持った十七八に見える
姝
(
きれい
)
な女が
円朝の牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
夜のおそきを
厭
(
いと
)
わず、
御行
(
おぎょう
)
の松の下屋敷へかえって来て、戸を叩くと、まだ寝ていなかったらしいお絹が、直ぐに戸をあけてくれたのを見ると、今日は、でかでかと
大丸髷
(
おおまるまげ
)
のしどけない姿。
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
冴
(
さ
)
え渡る十三日の月を眺めていますと、カラコン/\と珍らしく下駄の音をさせて
生垣
(
いけがき
)
の外を通るものがあるから、不図見れば、
先
(
さ
)
きへ立ったのは年頃三十位の
大丸髷
(
おおまるまげ
)
の人柄のよい
年増
(
としま
)
にて
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼女は、首を
縮
(
すく
)
めて、ふとんをかぶると、
大丸髷
(
おおまるまげ
)
が枕にひっかかった。
遠藤(岩野)清子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
お絹は
大丸髷
(
おおまるまげ
)
に手拭を着せて、主膳の居間の掃除をはじめました。
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
丸
常用漢字
小2
部首:⼂
3画
髷
漢検1級
部首:⾽
16画
“大丸”で始まる語句
大丸
大丸船