基礎きそ)” の例文
しかし、私が話したことだけは、間違まちがいのないことだから、それを基礎きそにして、これからのすべての報道を冷静に判断してもらいたい。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
國民こくみん消費節約せうひせつやく程度ていど此儘このまゝ持續ぢぞくすれば、はじめ日本にほん經濟界けいざいかい基礎きそ安固あんこなものになる、ことつていのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
干戈かんかすでにおさまりて戦勝の主領が社会の秩序ちつじょを重んじ、新政府の基礎きそを固くして百年の計をなすに当りては、一国の公道のために私情を去り
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
して、官吏くわんりまたは軍人ぐんじんにして、身分の體面を維持いじし、家の基礎きそを動かさぬだけの人間に仕上げやうと期してゐたのであツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
天才てんさいならばべつとして、まなぶには、うたうのも、らすのも、基礎きそとなる調子ちょうしからまなんで、練習れんしゅうが、たいへんなのだ。
しいたげられた天才 (新字新仮名) / 小川未明(著)
御覽ごらんのとほり、はじめのが、四音しおんになつてゐるが、ともかく、5・7・5といふみつつのかたちを、基礎きそとしてゐます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
個人の幸福の基礎きそとなるべき個人主義は個人の自由がその内容になっているには相違ありませんが、各人の享有きょうゆうするその自由というものは国家の安危に従って
私の個人主義 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ああすれば「民法」何条に差支さしつかえないかといっていれば、一家存在の基礎きそがどうなるであろう。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
平次は八五郎の智慧のほどを試すといふよりは、自分の推理の基礎きそを堅め度い樣子でした。
その内フト啓吉は、今日見た場面を基礎きそとして、短篇たんぺんの小説を書こうかと思い付いた。
死者を嗤う (新字新仮名) / 菊池寛(著)
このほね基礎きそとしてかほからだつくつてると、第十四圖だいじゆうしずにあるような猿人えんじんとなるのです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
これがすなは現今げんこん地震計ぢしんけい基礎きそ形式けいしきであつて、當今とうこんおこなはれてゐるミルン地震計ぢしんけい大森地震計おほもりぢしんけい、ガリッチン地震計ぢしんけい、パシュウィチ水平振子すいへいしんしなど、其構造そのこうぞう要點ようてんみなユーイング地震計ぢしんけいである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
読者諸君どくしゃしょくん! かくてジェンナーの考えは完全に証明しょうめいされたのであります。そのときのジェンナーの喜びはどんなだったでしょう。ここに、人類が永遠に救われる基礎きそができたのであります。
ジェンナー伝 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
今や時勢一ぺんして舊規きうき墨守ぼくしゆす可らず、宜しく政けんを王室に還し、以て萬國竝立へいりつ基礎きそを建つべし。其れ則ち當今の急務きふむにして、而て容堂の至願しぐわんなり。ばく下のけんなる、必之をさつするあらんと。
れは刑罰けいばつといふものが本人ほんにん悔悟くわいご基礎きそとしなければならぬとかんがへるはう一人ひとりであつた。ころされてしまへば、いることもあらためることも出來できない。したがつて、死刑しけいけいでないといふふうかんがへた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
したがつこゝ堅實けんじつなる基礎きそ出來でき以上いじやう基礎きそうへつて今後こんごおほい日本にほん産業さんげふ振興しんこう貿易ぼうえき發達はつたつはかつてくことが、吾々われ/\政府せいふ責務せきむであり
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
ねんち二ねんうちには日本にほん經濟界けいざいかい基礎きそ安固あんこのものになるとふことを確信かくしんしてうたがはぬのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)