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初物
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はつもの
ふりがな文庫
“
初物
(
はつもの
)” の例文
一般に、温室など利用して作った小さなきゅうり、俗に
初物
(
はつもの
)
と呼ぶような出たてのきゅうりで、料理屋などで使うのは、小さなのがよい。
胡瓜
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
尤
(
もっと
)
も、これは、世間で云う様な、
初物
(
はつもの
)
を食うために、
何処
(
どこ
)
そこへ旅行したとか、身を忍んで屋台店へ行ったとか云う風な食道楽ではなかった。
解説 趣味を通じての先生
(新字新仮名)
/
額田六福
(著)
その
遅
(
おそ
)
きとは三月にはじめて梅の花を見、五月の
瓜
(
うり
)
・
茄子
(
なす
)
を
初物
(
はつもの
)
とす。山中にいたりては山桜のさかり四月のすゑ五月にいたる所もあるなり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
女子
(
おなご
)
の世に生れし
甲斐
(
かい
)
今日知りて
此
(
この
)
嬉しさ
果敢
(
はか
)
なや終り
初物
(
はつもの
)
、あなたは旅の御客、
逢
(
あう
)
も別れも
旭日
(
あさひ
)
があの
木梢
(
こずえ
)
離れぬ内
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
茄子
(
なすび
)
大根
(
だいこ
)
の
御用
(
ごよう
)
をもつとめける、
薄元手
(
うすもとで
)
を
折
(
をり
)
かへすなれば、
折
(
をり
)
から
直
(
ね
)
の
安
(
やす
)
うて
嵩
(
かさ
)
のある
物
(
もの
)
より
外
(
ほか
)
は
棹
(
さほ
)
なき
舟
(
ふね
)
に
乘合
(
のりあひ
)
の
胡瓜
(
きうり
)
、
苞
(
つと
)
に
松茸
(
まつたけ
)
の
初物
(
はつもの
)
などは
持
(
も
)
たで
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
地
(
つち
)
が
性
(
しょう
)
に合うで
好
(
よ
)
う出来るが、まだこの村でも
初物
(
はつもの
)
じゃという、それを、
空腹
(
すきばら
)
へ三つばかり
頬張
(
ほおば
)
りました。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ところが、あの主人と來たら、タチが惡いんださうで、近頃は
初物
(
はつもの
)
あさりで、眼の惡い浪人の娘——」
銭形平次捕物控:220 猿蟹合戦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
二つは三文と近在の百姓が売りに来れば、
初物
(
はつもの
)
食って七十五日の永生きと皆々三文出して二つ買うのを、あるじの分別はさすがに非凡で、二文を出して一つ買い
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「これは、畑で出来たことしのお
初物
(
はつもの
)
でございまする。どうぞ、老公さまにさしあげて下さいませ」
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ですから
初物
(
はつもの
)
のおいしいところは、二人でみんな食べてしまっているのです、金椎さんも苦い面をしますけれど、あの人は耳が悪いのに聖人ですからね、また機嫌を取直して
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
【樂しみの初穗】天上無窮の福を果實にたとふれば地上の樂園の美觀はその
初物
(
はつもの
)
にあたる
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
S村では、まだ時々駐在所の巡査や校長へ、芋や大根や鶏を「
初物
(
はつもの
)
」だと云うので、持ってゆく。所が、その偉い旦那さん達が、裏では村の金持や有力者と、ちアんと結びついている。
不在地主
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
初物
(
はつもの
)
食いで、同一の女郎を二度と買った、ためしがないという男だ。
武装せる市街
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
尤
(
もっと
)
も食卓の飾にする
初物
(
はつもの
)
や
珍物
(
ちんぶつ
)
はお
好
(
このみ
)
なさらず
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
その
遅
(
おそ
)
きとは三月にはじめて梅の花を見、五月の
瓜
(
うり
)
・
茄子
(
なす
)
を
初物
(
はつもの
)
とす。山中にいたりては山桜のさかり四月のすゑ五月にいたる所もあるなり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
まあこの娘と
乳母
(
ばあや
)
——は、これはもう一度卒業したんだから、明いているといえば明いているが、
初物
(
はつもの
)
とは言えねえのだ、してみると、取引のできる女というのは、お喜代坊ひとりだけなんだ
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
初
常用漢字
小4
部首:⼑
7画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“初”で始まる語句
初
初心
初々
初手
初夏
初春
初陣
初秋
初午
初旬