“出懸”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
でか65.5%
でかけ20.7%
でかか3.4%
でかく3.4%
でが3.4%
でがけ3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
汽車にでも乗って出懸でかけようと、例の赤手拭あかてぬぐいをぶら下げて停車場ていしゃばまで来ると二三分前に発車したばかりで、少々待たなければならぬ。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
縁側を通る人の跫音あしおとがした。多分お勢が英語の稽古けいこ出懸でかけるので。改ッて外出をする時を除くの外は、お勢は大抵母親に挨拶あいさつをせずして出懸る、それが習慣で。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
この前四谷に行って露子の枕元で例の通り他愛たわいもない話をしておった時、病人がそで口のほころびから綿が出懸でかかっているのを気にして
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
否、四谷の大通には夜などよく散歩に出懸でかくる事がある身の、塩町附近の光景には一方ひとかたならず熟して居る。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
いまから二三年前ねんまへのこと、其時そのときは、ふね出懸でがけから暴風雨模樣あれもやうでな、かぜく、あめる。敦賀つるが宿やど逡巡しりごみして、逗留とうりうしたものが七あつて、つたのはまあ三ぢやつた。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
学円 何かい、ちょっと出懸でがけに、キスなどせんでもいかい。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)