出懸でかけ)” の例文
縁側を通る人の跫音あしおとがした。多分お勢が英語の稽古けいこ出懸でかけるので。改ッて外出をする時を除くの外は、お勢は大抵母親に挨拶あいさつをせずして出懸る、それが習慣で。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
無論むろんうとも』とつて海龜うみがめは、『だから、さかなわたしところて、旅行りよかう出懸でかけるンですがとはなすならば、わたし何時いつでも「どんな海豚いるかと一しよに?」とたづねる』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
とそうおっしゃったきり、お前、草鞋わらじ穿いてお出懸でかけで、戻っておいでのようすもないもの。
清心庵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
聞で出懸でかけしまゝ私しも病氣ながら起上おきあがり止る桐油とうゆそで振切ふりきり首途かどで
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
旦那だんな何時いつ頃お出懸でかけになりました」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「お出懸でかけか、」と五助。
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)