人妻ひとづま)” の例文
かくこんな具合ぐあいで、敦子あつこさまは人妻ひとづまとなり、やがて一人ひとりおとこうまれて、すくなくとも表面うわべにはたいそう幸福こうふくらしい生活せいかつおくっていました。
この歌の結句は、「崩岸辺あずへから駒のあやはども人妻ひとづまろをまゆかせらふも」(巻十四・三五四一)(目ゆかせざらむや)のに似ている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
われは數題中に就いて其一をえらみ取る自由あり。初なる一紙には侍奉じぶ紳士と題せり。こは人妻ひとづまつかふる男を謂ふ。中世士風の一變したるものなるべし。
「——見うけるところ、良人もあろうし、幾人いくにんかの子供もあろう人妻ひとづまではないか。なぜそんな短気たんきなことをいたす。くるしい事情じじょうがあろうにもしろ、浅慮千万せんりょせんばん……」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さはいへど人妻ひとづまならばおよぶまじことなりたしかめてのち斷念だんねんせんのみ、うきたるこひこゝろをくす輕忽あわつけしさよともおぼさんなれど、父祖傳來ふそでんらい舊交きうかうありとて、其人そのひとこゝろみゆるものならず、家格かかくしたが門地もんちたつと
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
人妻ひとづまよ、二人ふたりしてふかく秘めたる赤き実も
緑の種子 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
されども君は人妻ひとづま
この日 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
人妻ひとづま恋ふる悲しさを
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
おもがはりせし人妻ひとづま
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
神職 人妻ひとづまか。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
なやましけ人妻ひとづまかもよぐ船の忘れは為無せないやひ増すに (同・三五五七)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
そんなのはとく産土神様うぶすなのかみさまうかがいまして、差支さしつかえのないものにはできるだけはなしまとまるようにほねってやりますが、ひょっとすると、妻子さいしのあるおとこと一しょになりたいとか、また人妻ひとづまはしてくれとか
なんとせんさて人妻ひとづまとなりての心得こゝろえむすめときとはことなるものとか御氣おきらばけれどかれなばかなしきことまづそれよりも覺束おぼつかなきはふみ御返事おへんじなり御覽ごらんにはなりたりともそのまゝおしまろめたまひしやらかへりて御機嫌ごきげん
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
人妻ひとづまか、罪か、血は火の美しさ
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
人妻ひとづま戀ふる悲しさを
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ああ人妻ひとづま、——
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)