“たわけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
白痴43.6%
10.3%
痴呆10.3%
痴漢5.1%
白癡5.1%
2.6%
呆漢2.6%
呆痴2.6%
戯痴2.6%
痴児2.6%
痴気2.6%
痴者2.6%
白痴漢2.6%
阿呆2.6%
阿房2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「茸だと……これ、白痴たわけ。聞くものはないが、あまり不便ふびんじゃ。氏神様のお尋ねだと思え。茸が婦人おんなか、おのれの目には。」
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お糸の方と手を括りあわされ、満座のなかで馬鹿舞を舞わされた沙汰さたのかぎりのたわけ加減を聞かされたら、腹を立てずにはいられまい。うらめしくも、はかなくも、情けなくもあろう。
鈴木主水 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
定めて重要事件の打ち合せなるべしと思いほかれるには似もやらず、痴呆たわけの振舞、目にするだにけがらわし、アア日頃頼みをかけし人々さえかくの如し、他の血気の壮士らが
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
『わん、といたら、いぬだとおもはう、痴漢たわけが。』
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一日も早くやすめ奉る心になれ、白癡たわけめがッ
討たせてやらぬ敵討 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
たわけ、其の方支配を致す身の上で有りながら、其の店子たなこと云えば子も同様と下世話で申すではないか、其の子たる者のかゝる難儀をも知らんでるという事は無い
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
しかるを何だ、あまり馬鹿々々しいとはういう主意を以てかくの如く悪口あっこうを申すか、この呆漢たわけめ、何だ、無礼の事を申さば切捨てたってもよい訳だ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「こんなに多勢弟がそろっていながら、姉一人を養えないとは——呆痴たわけめ」
ある女の生涯 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
一首は、何というおろか戯痴たわけたことをおれは云ったものか、この老人が年甲斐としがいもなく、今更小供等のような真似まねをして、というので、それでも、あの女が恋しくて堪えられないという意があるのである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
女の身体というものは、へえ油断がならねえ。あれで血の道でも起ってからに、万一もしもの事が有って見ろ。これが巡査おまわりさんの耳へへいったものならお前はまあどうする気だぞい——痴児たわけめ。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
容顔が美麗なで、気後きおくれをするげな、この痴気たわけおやじと、媼はニヤリ、「鼻をそげそげ、思切って。ええ、それでのうては、こなじじい、人殺しの解死人げしにんのがれぬぞ、」とおどす。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「あら、そうかしら。……でも、花子がやったのにちがいないんだろう。あんな大痴者たわけだから、もうとっくにとっ捕まっているにきまってる」
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
なまじ情がかえって悲しい、汝も定めてわからぬ奴と恨みもしょうが堪忍かにしてくれ、ええ是非がない、わからぬところが十兵衛だ、ここがのっそりだ、馬鹿だ、白痴漢たわけ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
なにょう! きさまなんざ、ひげそうじのしみったれ野郎やろうの、ぶちの、阿呆たわけの、腹ぺこの、ねずみとりじゃねえか。
阿房たわけものめが。いわ。今この世のいとまを取らせる事じゃから、たった一本当の生活というものをとうとばねばならぬ事を、其方そちに教えて遣わそう。