“万一”のいろいろな読み方と例文
旧字:萬一
読み方割合
もし21.4%
ひょっと19.6%
まんいち19.6%
もしも17.9%
もしか5.4%
ひよつと3.6%
もしや3.6%
ばんいち1.8%
ひょっ1.8%
ひょッと1.8%
まさか1.8%
エマアジェンシイ1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかしそのうちに、ひとりでに内側から破れるであろう、万一もし早まって割ったりしては大変だ……と我慢しいしい抱いておりました。
(新字新仮名) / 夢野久作(著)
私があんまりポチばかり可愛がって勉強をしなかったから、父が万一ひょっとしたらこらしめのため、ポチを何処かへかくしたのじゃないかと思う。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
こういいのこしたおに言葉ことばつなわすれずにいました。それで万一まんいちかえされない用心ようじんに、つなうで丈夫じょうぶはこの中にれて、もんそと
羅生門 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
誠に心配で、万一もしもの事でもありはせんか、有った時には御順家督ごじゅんかとくで、何うしても御舎弟紋之丞様を直さねばならん、ところがその
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「皆さん、あなた方はかうやつて大勢講堂に集まつてゐますが、万一もしかひよつとした事で、この建物から火が出た時にはうしますね。」
今では何方にでも万一ひよつとしたことの有れば骨を拾つて遣らうか貰はうかといふ位の交際つきあひになつたも皆親方の御蔭、それに引変へ茶袋なんぞは無暗に叱言を云ふばかりで
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
が、日を経るにつれて、この、考えてみると根拠よりどころのない期待は、薄らぐ一方だった。万一もしやはかない希望が、しんしんと心を刻む痛さ、寒さに、置き代えられて来た。
四辺あたりに人眼が無い折などには、文三も数々しばしば話しかけてみようかとは思ったが、万一ばんいちに危む心から、暫く差控ていた——差控ているはしろ愚に近いとは思いながら、尚お差控ていた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
同じ長家ながやる重二郎の母をけようと思ったが、否々いや/\先程又作が箱の中へ入れて隠した書付が、万一ひょっとしての三千円の預り証書ではないか
馬鹿な事には下宿してから、雪江さんが万一ひょッとふさいでいぬかと思って、態々わざわざ様子を見に行った事が二三度ある。が、雪江さんはいつも一向ふさいで居なかった。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
けれどもかたの事だから川よりは平穏だから、万一まさかの事もあるまい、と好事ものずき連中れんじゅうは乗ッていたが、げた者も四五人はッたよ。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
海峡横断のさい万一エマアジェンシイのために——ちょうど汽船とおなじに——救命帯がそなえつけてあります。
踊る地平線:04 虹を渡る日 (新字新仮名) / 谷譲次(著)