“くすり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
56.7%
19.2%
7.5%
薬種3.3%
釉薬1.7%
薬湯0.8%
養生0.8%
丹薬0.8%
久須利0.8%
医薬0.8%
原色料0.8%
無名0.8%
睡眠剤0.8%
薬剤0.8%
薬材0.8%
薬餌0.8%
藥液0.8%
賣藥0.8%
道中薬0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
『早くけえつて寝るこつた。恁麽こんだ時何処ウ徘徊うろつくだべえ。天理様拝んで赤痢神が取付とツつかねえだら、ハア、何で医者いしやくすりが要るものかよ。』
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
單純たんじゆんなレウマチスせい頭痛づつうではあつたが、りよ平生へいぜいからすこ神經質しんけいしつであつたので、かりつけ醫者いしやくすりんでもなか/\なほらない。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
くすりの工合の妙味言ふ可からざる茶碗なり茶入なり、何によらず見処の有る骨董を、好きならば手にして楽しむ方が、暢達した料簡といふものだ。
骨董 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
『血どめだの、陣中こうだの、種々いろいろ薬種くすりを持っちゃあ、方々の御陣所の御用を聞いてまわるのさ。生命がけの商売だよ』
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
へらの秘伝、釉薬くすりの合せ、彼が今日までおくびにも出さない秘密を、みなブツブツとひとりごとにあかし、そして増長天王ぞうちょうてんのうの仕上げにかかっていた。
増長天王 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「今日はどんな様子じゃな」と、まず声をひそめて、薬湯くすりのにおいの中にしんとしてかしこまっている侍女かしずきのものに訊くのが例であった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
昼も妻戸をほのぐらく垂れこめて、青金せいきん砂子すなごのみが妖美あやしく光るふすまの隅に、薬湯くすりの番をしている侍女かしずきたちも、そこを隔てた姫の部屋をはばかるようにして、低声こごえに答えるのであった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
七「なるほど是れはうございましょう、跣足はだしで土を踏むと養生くすりだと云いますが、旦那が薪を割るのですか」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
何事も堪忍致すのは極く身の養生くすり、なれども堪忍の致しがたい事は女房が密夫まおとここしらえまして、亭主をだまおおせて、ほかで逢引する事が知れた時は、腹を立たぬ者は千人に一人もございません。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「ええ、今日はたしか、裏で丹薬くすりッてござらっしゃッたが」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「並んだ中にいつも陰気で、じめじめして病人のようだからといって、上杉先生が、おなじく渾名あだなして——久須利くすり苦生くせい。」
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
すなわち古今のドクトルが、生命いのちを的に研究し調査した、その報告書アルバイトを、道案内として、病気の診察、医薬くすりの調合をするのです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
さてこれに、血竭二羅度らど、焼酎十六度よりなる越幾斯エキスにて、雲様の斑点とらふ模彩うつす。かつ、あらかじめ原色料くすりをよく乾かすよう注意きをつけ、清澄たる洋漆を全面そうたいびせるべし。
元禄十三年 (新字新仮名) / 林不忘(著)
それは無名くすり指のさきから、手相見の謂わゆる生命線の基点へ走っている一すじ創痕きずあとなんですがね、実に鮮やかなもので見まいとしても目につくのです。
「ゆうべ睡眠剤くすりを飲んだの。なんだか頭がすこし痛いわ」
風立ちぬ (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
瓶の口も其の儘なら中の薬剤くすりも其のままである。
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
長野に興業館といふ東京の山師の出店でだな見ていなものを押立おつたてて、薬材くすりで染物のう御始おつぱじめるつて言つて、何も知らねえ村の者をだまくらかして、何でもはア五六千円も集めただア。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
正行の小柄なのは、幼少からだが、とかくいつ頃からか薬餌くすりになじみがちだった。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
甘い藥液くすりしめ
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
「あれかい、賣藥くすり看板かんばんさ」
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)