𤾂城えんじょう)” の例文
思い合せれば、𤾂城えんじょうの勝ちいくさが、すでに今日の敗因をかもしていたものです。部下の端までが、あまりに勝ちにおごって、敵を甘く見くびり過ぎた結果でしょう。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところが、呉軍十万の圧力のもとに、前衛の𤾂城えんじょう一支ひとささえもなくついえてしまった。洪水のような快足をもって、敵ははや、この合淝へ迫ると、急を告げる早馬は、くしの歯をひくようだった。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それにしても𤾂城えんじょうひとつ落すために払った犠牲はかなりなものであった。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)