鼻緒屋はなおや)” の例文
川沿の公園の真暗まっくらな入口あたりから吾妻橋の橋だもと。電車通でありながら早くから店の戸を閉める鼻緒屋はなおやの立ちつづく軒下。
吾妻橋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
どうしたのかと聞くと、これは重吉といって、美雲の弟で、花川戸の鼻緒屋はなおやに奉公しているものであるが、病気にて帰っているのだということです。
「ゴム靴だって?」父親は顔をこわばらせた「鼻緒屋はなおやせがれが、ゴム靴を作る時代になったか」
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)