黝黒あおぐろ)” の例文
晩秋の美味のうち、鰍のなますに勝るものは少ないと思う。肌の色はだぼ沙魚はぜに似て黝黒あおぐろのものもあれば、薄茶色の肌に瑤珞ようらくの艶をだしたのもある。
姫柚子の讃 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
洋々と流れる千曲川も、冬は氷にとざされて、その水色さえ黝黒あおぐろく、岸の枯蘆かれあしもおおかたは折れて、風の強さが思われる。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)