黝色ゆうしょく)” の例文
巨眼鋭く人を射し、薄い唇は緊張ひきしまり、風雨雪霜に鍛え尽くした黝色ゆうしょくの顔色は鬼気を帯び、むしろ修験者というよりも夜盗の頭領と云った方が、似つかわしいような面魂つらだましいに二人はちょっと躊躇ちゅうちょした。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)