黒褐色こくかっしょく)” の例文
その後そうの茶人らが粉茶を用いるに至って、彼らは濃藍色のうらんしょくおよび黒褐色こくかっしょくの重い茶碗を好んだ。明人みんじん淹茶だしちゃを用い、軽い白磁を喜んだ。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
たぶんいわゆる「塩風」であったためか、樹々の南側の葉が焦げたように黒褐色こくかっしょくに縮れ上がって、みじめに見すぼらしい光景を呈していた。
柿の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
しかし実際には大谷から出る石は、どちらかというと荒く、いわゆる「みそ」が多いという。「みそ」というのは石の間にはさまった有機物の腐れた黒褐色こくかっしょくのごく柔らかい部分をいう。
野州の石屋根 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)