黒暗暗こくあんあん)” の例文
帆村が続いて外に飛び出して見ると、蠅男は何処へ行ったものか影も姿もなく、戸外には唯ひっそりかんとした黒暗暗こくあんあんたる闇ばかりがあった。
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
坂の下は黒暗暗こくあんあんとして何も見えなかった。生垣があり槖駝師うえきやの植木があって、人家は稠密ちゅうみつと云うほどでもないが、それでもかなり人家があるので、の一つも見えないと云うはずがなかった。
馬の顔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)