鴫丸しぎまる)” の例文
「へい、私の名は鴫丸しぎまるというんで」こう答えたのは片耳のない、大兵だが魯鈍ろどんらしい男であった。年格好かっこうは二人ながら、二十七、八歳と思われる。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
が、こう再度叫んだ時には、嘉門の姿は遠のいていて、嘉門に強く振りもぎられたために、地へ倒れた鴫丸しぎまるばかりが、往来の真ん中に残っていた。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「おい、お前さんは鴫丸しぎまるさんじゃアないか⁉」こう金兵衛は声を掛けたが、この時その男を思い出したのであった。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)