髯武者ひげむしや)” の例文
私はこの通りのひどい髯武者ひげむしやで、毎日のやうに當つて置かないと、大變な顏になります。その上恐ろしくこはい毛で、並大抵の剃刀ぢや痛くてかなひません。
次は上野駅より好摩駅まで沿道三百六十余マイルの間の空気に染みぬ。或は当時同車したりし熊の如き髯武者ひげむしや、巡査、田舎婆、芸者らしき女、などの交々吐き出したる炭酸瓦斯たんさんガスも猶幾分か残り居るべし。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)