香具かぐ)” の例文
香具かぐ山と耳成みみなし山と会ひしとき立ちて見に来し印南いなみ国原」(巻一・一四)という歌にも、この客観的な荘厳があったが、あれは伝説を歌ったので
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
其右に高くつゝ立つてゐる深緑は畝傍山。更に遠く日を受けてきらつく池は、埴安はにやすの水ではないか。其側に平たい背を見せたのは、聞えた香具かぐ山なのだらう。旅の女は、山々の姿を辿つてゐる。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)