須賀口すがぐち)” の例文
城下の市坊しぼうは、碁盤目ごばんめになっていた。須賀口すがぐちから五条川の通りはわけて賑わって、幾組も踊りの輪が踊りながら歩いていた。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その須賀口すがぐちには、妓楼ぎろうや茶屋が軒をならべていて、昼間は、禿かむろたちがまりをつきながら、往来で唄っていた。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
踊りの輪は、影法師と二重ふたえになった。そこへまた、須賀口すがぐちの踊手たちが来て一緒になった。両方の音頭取りが、美音を競ってこもごもに澄んだ声をはりあげた。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
須賀口すがぐちの遊びの出先から、帰城の使者を認めてそれを追いかけ、城中の一室に来てじっと坐り詰めたまま、主君信長の気もちと一つに、三河との和戦はいずれにきまったかを
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)