音頭取おんどと)” の例文
一人が眼隠めかくしをしてかくされた品物のまわりを廻ると、一人の音頭取おんどとりがはらはらしながら、あしを叩いて
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
塩辛しおからい声を振り揚げる髪結い直次の音頭取おんどとりで、ひなびた合唱がまたそのあとに続いた。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
一人の女の子が壁の際に立って歌を謡う調子で説明の真似をすると、外の女の子は謹聴しながらその音頭取おんどとりの声に和して、チベット風に念仏を唱えるです。それがいかにも可愛らしく見える。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
上手な音頭取おんどとりにつれて、誰も彼も熱心に踊った。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)