“靭（つよ）” の例文
鰻（うなぎ）の腹のような靭（つよ）い滑（なめら）かさと、羊皮紙のような神秘な白い色とが、柚木の感覚にいつまでも残った。
老妓抄 (新字新仮名) ／ 岡本かの子(著)
柔かい滑らかな靭（つよ）さは、パール・バックの生れつきの皮膚とはちがった手ざわりをもっている。
春桃 (新字新仮名) ／ 宮本百合子(著)
やはり人間の未来の発展というものについて一つの靭（つよ）い情熱を感じていなければ、何によりどころをおいて次の世代のつくりてである子供たちに希望をかけ、浄らかな焔を点し
子供のためには (新字新仮名) ／ 宮本百合子(著)
生活経験によって実力を靭（つよ）められ、逞しくされながら、その間に自分たちの内と外とにのこされている社会的なマイナス、おくれている要素を高めつつ進まなければならないのである。
祭日ならざる日々：日本女性の覚悟 (新字新仮名) ／ 宮本百合子(著)