雄心ゆうしん)” の例文
其身斗満の下流に住みながら、翁の雄心ゆうしんはとくの昔キトウスの山を西に越えて、開闢かいびゃく以来人間を知らぬ原始的大寂寞境の征服にせて居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
それもただ、地のけんを守って、生きながらえていようというだけの消極的なものではなく、昌幸も次男の幸村ゆきむらも、実は、鬱勃うつぼつたる雄心ゆうしんを蔵していた。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平和は人をして眠らしめ、鎖国は雄心ゆうしんをして死せしむ。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)