障害さわり)” の例文
其企てが又、今の樣に何の障害さわりなしに行はれる事が無いので、私の若い精神は絶間たえまもなく勇んで、朝から晩まで戰場に居る心地がして居た。
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
このような人間を退治たところで、自分が久しく企てている、一大事を仕とげる足しにもならず、かえって障害さわりになるくらいだ。……さわりたくないのだ、さわりたくないのだ
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その長い五年間には、お殿様にもご機嫌よく、家来共の言葉を快くお聞きなさる時もござりましょうに。そういう場合にお取りなししたら、何の困難むつかし障害さわりもなく、帰参がかなうに相違ござりませぬ。
村井長庵記名の傘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)