阿父おとっさん)” の例文
「なに好いよ。阿父おとっさんが手紙で聞き合せるから——悲しがる事はない。叱ったんじゃない。——時に晩の御飯はあるかい」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
阿父おとっさん書家しょか樵石しょうせき先生だけに、土肥君も子供の時から手跡しゅせき見事に、よく学校の先生にめられるのと、阿父が使いふるしの払子ほっすの毛先をはさみ切った様な大文字筆を持って居たのを
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「ハハハハくだらぬ事を気にしちゃいけない。春は気がふさぐものでね。今日なぞは阿父おとっさんなどにもよくない天気だ」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「それに御承知の通、阿父おとっさんがいつぞやおっしゃった事もあるし。そうなればくなった人も満足だろう」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)