阿父様とうさま)” の例文
旧字:阿父樣
ちらちらに昼のほたると竹垣にしたた連𧄍れんぎょうに、朝から降って退屈だと阿父様とうさまがおっしゃる。繻子しゅすの袖口は手頸てくびすべりやすい。絹糸を細長く目にいたまま、針差のくれないをぷつりと刺して立ち上がる。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)