金売吉次かねうりきちじ)” の例文
奥州で津軽・栗原・信夫、羽前の最上もがみ、それから信州木曾の園原そのはらなどにおいては、炭焼藤太すみやきとうたは必ず金売吉次かねうりきちじの父であった。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
牛若丸を平泉までれて行ってやったというあの金売吉次かねうりきちじの父親も、宮城県栗原郡高清水附近の産で、高清水近辺から沢山の自然金を持って京都へのぼったという伝説があります。
それから伊勢三郎が見出されるためには、保護者の金売吉次かねうりきちじと一旦は手を別って、上州松井田の辺まで余計なまわり路をしなければならなかった。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
金売吉次かねうりきちじだというのでありますが、これは単なる伝説のようでありまして、どこまで信じていいかわかりませんけれども、東北地方を金産地としての伝説としては、まことに面白い話であります。