醇粋いつぽんぎ)” の例文
諸仏菩薩も御許しあれ、生雲塔の頂上てつぺんより直ちに飛んで身を捨てむ、投ぐる五尺の皮嚢かはぶくろは潰れて醜かるべきも、きたなきものを盛つては居らず、あはれ男児をとこ醇粋いつぽんぎ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
と此方の心が醇粋いつぽんぎなれば先方さきの気に触る言葉とも斟酌せず推返し言へば、爲右衞門腹には我を頼まぬが憎くていかりを含み、わけの解らぬ男ぢやの、上人様はきさまごとき職人等に耳は仮したまはぬといふに
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)