邪気無あどけな)” の例文
旧字:邪氣無
『なツす、先生様ア。』とお常は厭迄あくまで曇りのないクリクリした眼で調戯からかつてゐる。十五六の、色の黒い、晴やかな邪気無あどけない小娘で、近所の駄菓子屋の二番目だ。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
四辺あたりに人の居ない時、こうした形は、子供が鉄砲玉でも買って来たように、邪気無あどけないものである。
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)