遣方無やるかたな)” の例文
金煙管きんぎせるたばこひと杳眇ほのぼのくゆるを手にせるまま、満枝ははかなさの遣方無やるかたなげにしをれゐたり。さるをも見向かず、いらへず、がんとして石の如くよこたはれる貫一。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ひと遣方無やるかたなく苦める不幸は又量無しと為ざらんや。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)