逆磔さかさはりつけ)” の例文
秩父の代官河越三右衛門が、召使のおんなに濡衣を着せ官に訴えて逆磔さかさはりつけに懸けた所、昨夜婢の亡霊が窓を破って忍び入り、三右衛門を喰い殺したというのである。——
稚子法師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「ほんとだ。殺した上に、指を一本切ったんだ。ひどい真似まねをしやがる。奉行所ものろまじゃねえか、なぜ早く下手人を捕えて、逆磔さかさはりつけにしてしまわねえんだろう」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この上は、獄門、逆磔さかさはりつけ、いかなる極刑きょっけいも甘んじてうけまするが、どうせの罪ほろぼしに、公儀の大事にかかわるもう一つの陰謀を、あわせて自白したいと存じます。そして、心涼しく刑を
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)