轢死体れきしたい)” の例文
その他の足袋の底と着物の裾に、すこしばかり泥が附いているだけで、轢死体れきしたいとしては珍らしく無疵むきずな肉体が、草の中にあおのけに寝て、左手ゆんではまだシッカリと前裾を掴んでいた。
空を飛ぶパラソル (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ある中年の商人は、夜、東海道線の踏切を通って、無残な女の轢死体れきしたいを見たが、まだ弥次馬やじうまが集まって来ない、たった一人の時、妙な洋服男が死体の側をウロウロしているのを見たという。
黄金仮面 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「なあーンだ。君は妹の轢死体れきしたいを引取って行った男じゃないか」
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)