越智東風おちとうふう)” の例文
「おやまた御客様だ」と細君は茶の間へ引き下がる。細君と入れ違いに座敷へ這入はいって来たものは誰かと思ったらご存じの越智東風おちとうふう君であった。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
わたくしの名は越智東風おちとうふうではありません、越智おちこちですと必ず断りますよ」「妙だね」と雲井くもいを腹の底までみ込む。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
座に着くと、いきなり「君、越智東風おちとうふう高輪事件たかなわじけんを聞いたかい」と旅順陥落の号外を知らせに来たほどの勢を示す。「知らん、近頃はわんから」と主人は平生いつもの通り陰気である。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)