警吏やくにん)” の例文
「盗賊は、まだつかまらぬか。はて、のろまな警吏やくにんだ」と、後ろへ供につれているわっぱのような小男——蜘蛛太くもたを顧みてにやりと笑っていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
丘の上のれ果てた御堂の縁に、彼が易々やすやすと木の葉虫のようにごろりと横になったころ、一方の警吏やくにんは、月輪家の裏門の戸をどんどんとたたいていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「何、おれを警吏やくにんへ引き渡す? おもしろい、糺明所へでもどこへでも突き出してもらおうじゃねえか」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)