ナゾ)” の例文
尚笑覧に引いた、祐信の三つ物絵尽しのナゾの、端午の幟のだしは五月幟の竿頭の飾りをもだしと言うてゐた証拠である。
髯籠の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
所謂歌から生じた後の歌物語なるものは、諺とその説話との関係を見倣つて進んで来たのだと言ふことが出来る。諺のもつとも諺らしい表現をせられる時は、即「ナゾ」に近づいて来る。
最異風な諺を挙げて見れば、地名・人名に絡んだ枕詞の古形をなすものが其で、昔は国讃美クニボメ・人讃美が、呪詞の精髄であつた事を示してゐる。一方、さうした諺から、所謂ナゾが生れて来る。