諷誦ふうしょう)” の例文
物語は即ち事実をば音調によって面白く排列し、これを諷誦ふうしょうすれば自ずから一種の声律を為して人の快感を誘うものであるから、つまりこれもまた一種の歌である。
婦人問題解決の急務 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
かつての名刹めいさつ、二龍山の宝珠寺ほうじゅじも、いまは賊の殿堂と化して、千僧の諷誦ふうしょう梵鐘ぼんしょうの声もなく、代りに、ひょうの皮をしいたとうの上に、赤鬼のごとき大男が昼寝していた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)