設楽しだら)” の例文
旧字:設樂
設楽しだらはらいちめんに、赤い——実に赤い、夕陽は落ちかけていた。この日の大戦は、夜明け方の五時頃から開始されて、たそがれ近い四時すこし前に終った。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
五月十八日、信長家康両旗の援軍三万八千、長篠の西方設楽しだらの高原に、山野に充ちて到来した。
長篠合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
途中、牛久保うしくぼまでかかると、織田軍と方向をかえ、夕立雲のように、設楽しだらはらへ急ぎに急いだ。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「信長何者ぞ、家康また何かあらん。——設楽しだらはらこそ、彼らの骨を積むところだ」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鎌倉の大蔵おおくら屋敷に留守としておいて来た設楽しだら五郎左衛門の子、権之助であった。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)