角力取すもうと)” の例文
如何いかにも、水死人は、まるで角力取すもうとりみたいに、醜くふくれ上っていた。顔は下を向いているので分らぬけれど、服装の様子では湯治客らしい。
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
鏡に向って両肌もろはだを脱ぎ角力取すもうとりが狐拳きつねけんでもしているような恰好かっこうでやっさもっさおしろいをぬたくって、化物のようになり、われとわが顔にあいそをつかしてめそめそ泣き出し、お針のお六は
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
茂兵衛 角力取すもうとりになっている。
一本刀土俵入 二幕五場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
「エエ、あなた方、今廊下で、誰かにお逢いにならなかって? 大きな、角力取すもうとりみたいな人に」
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)