たび)” の例文
渠は紐で飾つた袍を着て、広い帯に剣を懸け、羽附きの高く尖つた帽を戴き、赤いたびかゝとの高い、花飾りの附いた靴を穿いて居ます。
新浦島 (新字旧仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
一所に花柘榴ざくろの木があって、赤い蕾が珠のように、枝に点々とつづられていたが、その中の二、三たびのような花弁を、恥ずかしそうにはみ出させていた。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
長浜村まで出てみれば、盆踊が始まっている。浜の砂の上に大きなを作って踊る。男も女も、手拭の頬冠ほおかむりをして、着物の裾を片折はしょって帯にはさんでいる。たびはだしもあるが、多くは素足である。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)