裂石山れっせきざん)” の例文
「わしは知らぬが、つたうところによれば、父君は天目山てんもくざんにて討死うちじにしたと見せかけて、じつは裂石山れっせきざん古寺ふるでらにのがれて姿をかえ、京都へ落ちられたといううわさ……」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
じつはお討死うちじにとは表向おもてむきで、まことは、天目山てんもくざんみねつづき、裂石山れっせきざん雲峰寺うんぽうじへいちじお落ちなされて、世間のしずまるころをお待ちなされたうえ、このほど身をいぶせき旅僧たびそうにかえられ、ひそかに
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)