衷情ちゆうじやう)” の例文
かつて幡随院長兵衛の劇を見たる時に、われは実に長兵衛の衷情ちゆうじやうを悲しめり、然れども我は長兵衛の為に悲しむより、寧ろ当時の平民の為に悲しみしなり。
徳川氏時代の平民的理想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
其の決心を打ち忘れて、斯かる痴態を演ずると云ふ、男子が衷情ちゆうじやうの苦痛を、貴嬢は御了解下ださらぬですか
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
と正直に衷情ちゆうじやうを話してゐる。