蠨蛸しょうしょう)” の例文
「蓮の葉に蜘蛛くだりけり香をく」と吟じながら女一度に数弁すうべんつかんで香炉のうちになげ込む。「蠨蛸しょうしょうかかって不揺うごかず篆煙てんえん遶竹梁ちくりょうをめぐる」とじゅしてひげある男も、見ているままで払わんともせぬ。蜘蛛も動かぬ。
一夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)